こんにちは。和歌山で税理士をしております、和田全史です。今回は、令和7年税制改正と、ふるさと納税の上限額への影響について書いてみたいと思います。
今年はふるさと納税をめぐって特別な動きも
今年(令和7年)は、ふるさと納税をめぐって例年と少し違う動きがあります。各ポータルサイトで行われてきたポイント付与が、9月末で終了する予定になっているため、その前に寄附を済ませておこうという方が増えています。
その一方で、「今年から税制改正があると聞いたけれど、それで上限額が変わるのではないか」と気にされている方も多いように感じます。控除が受けきれず自己負担が増えてしまうと、せっかくの寄附がもったいないですよね。
給与所得控除の改正(ごくわずかな影響が出る人も)
令和7年分から、給与所得控除の最低保障額が55万円から65万円に引き上げられました。この改正は、翌年度(令和8年度)の住民税にも反映されるため、今年(令和7年)中に行うふるさと納税から上限に影響することになります。
対象になるのは給与収入190万円以下の方で、この人たちは控除が増えることで所得金額が最大10万円ほど減ります。その結果、住民税の所得割額も少しだけ下がることがあり、ふるさと納税の上限額もごくわずかに小さくなる可能性があります。
一方で、給与収入190万円を超える方には影響はありません。多くの方にとっては、この改正による上限額の変化は、ほとんど気にしなくてもよい程度だと思います。
基礎控除の改正(影響なし)
令和7年分から、多くの方が所得税の基礎控除が引き上げられました。一方で、住民税の基礎控除(43万円)は据え置きのままです。
ふるさと納税の上限は住民税の所得割額をもとに計算されるため、所得税の基礎控除の引き上げは、上限額には基本的に影響しません。「所得税での負担」が軽くなるだけで、「住民税での控除枠(上限)」は変わらないと考えてよいでしょう。
まとめと注意点
今回の税制改正によって、ふるさと納税の上限額が大きく変わることはほとんどありません。影響が出るとすれば、給与収入190万円以下の方で、上限額がほんの少し小さくなる可能性がある程度です。
ただし、ふるさと納税の上限は今年(令和7年)の所得で決まります。前年の源泉徴収票などは目安として便利ですが、今年の所得が大きく増減している場合は、今年の所得見込みで試算するのがおすすめです。
控除を受けきれず自己負担が増えてしまうのを防ぐためにも、ご自身の今年の状況を一度確認しておかれると安心です。
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