和歌山の税理士、和田全史です。
最近、税制改正大綱に関する話題を目にすることが増えてきましたが、今朝もインボイス制度に関して、少し気になる記事を見かけました。
内容としては、免税事業者からの仕入れに係る「8割控除」や、いわゆる「2割特例」について、見直しが検討されているというものです。報道によれば、8割控除は7割控除へ、2割特例は3割特例へといった方向性が示されています。
もともと、この特例措置については、来年(令和8年)10月から大きく内容が変わる予定でした。具体的には、免税事業者からの仕入れに対する控除率は、現在の8割から一気に5割へ引き下げられることになっており、実務上の影響を心配されていた方も多いと思います。
また、「2割特例」についても、来年10月以降に開始する課税期間からは終了予定とされており、こちらも将来的な廃止を前提とした制度でした。そのため、免税事業者・課税事業者の双方にとって、「来年10月」が一つの大きな節目になると考えられていました。
今回の記事では、そうした前提を見直し、いきなり5割控除・特例終了とするのではなく、まずは7割控除、2割特例についても3割特例へと形を変えたうえで、段階的に縮小していく案が検討されているとされています。言い換えれば、もうワンクッション置いて、変更のペースを緩やかにする方向です。
もっとも、現時点では、これはあくまで政府・与党内での調整段階の話であり、まだ正式に決定したものではありません。ただ、今月中に取りまとめられる予定の税制改正大綱に盛り込まれる方向とされており、制度の行方を考える上では注目しておく必要がありそうです。
インボイス制度や消費税については、制度変更のたびに判断が難しくなりがちです。最終的な内容は税制改正大綱を確認してからになりますが、いずれにしても、今月中の発表には注目しておきたいところです。
インボイス制度を含め、消費税の取扱いでお悩みのことがありましたら、お気軽にご相談ください。



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