和歌山で税理士をしている和田全史です。
昨日(2026年2月1日)のJRAのWIN5で、的中票数が0票となり、539,905,240円のキャリーオーバーが発生しました。ニュースやSNSでも「次回はチャンスでは?」と話題になっています。
WIN5については、以前「高額配当が出た場合の税金」の記事を書いたところ、多くの方に読んでいただきました。的中した後の税金の話はそこで確認できましたが、今回は少し視点を変えて、「そもそもキャリーオーバーのときは本当に有利なのか?」という点が気になりました。
税金とは直接関係のない話題ではありますが、個人的な興味もあり、過去のデータをもとに、キャリーオーバー時の還元率が実際どれくらい上がるのかを検証してみます。

WIN5の払戻の仕組みと還元率の計算方法
まず前提として、WIN5の払戻の仕組みを確認しておきます。
WIN5の控除率は30%で、売上金額のうち70%が払戻原資として配当に回ります。そのため、キャリーオーバーが発生していない通常回の還元率は、理論上70%になります。
一方、キャリーオーバーが発生した場合は、前回の払戻原資(すでに70%が掛かった後の金額)がそのまま次回に繰り越されます。この繰越分には、あらためて控除はかかりません。
したがって、次回の払戻総額は「売上金額×70%+キャリーオーバー額」で計算されます。これを売上金額で割ったものが、その回の還元率です。
計算式にすると、次のとおりです。
キャリーオーバーがない通常回の還元率は、先述のとおり70%ですが、キャリーオーバー時の還元率がどの程度になるのか、過去のデータを確認してみます。
過去のキャリーオーバー後の還元率(過去5回)
キャリーオーバーが発生すると、「次回はチャンス」「かなり有利なのでは?」といった声をよく見かけます。
中には「キャリー分が上乗せされるなら、還元率が100%を超えるのでは?」と考える方もいるかもしれません。実は、私自身も最初はそう思っていました。
そこで、実際のところどれくらい還元率が上がっているのか、過去のデータをまとめて確認してみました。
なお、2019年3月3日の次回は、対象レースに同着があったため、的中組合せが複数となり、配当が分かれています。そのため、表では2行に分けて表示しています。
過去5回分の結果は次のとおりです。
| キャリー 発生日 |
繰越額(円) | 次回 | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 売上金額- 返還金額(円) |
払戻総額(円) | 的中口数 | 1口あたり 払戻金(円) |
還元率 | ||
| 2025年 10月4日 |
257,063,660 | 2,348,029,300 | 1,900,684,160 | 4 | 475,171,040 | 80.9% |
| 2025年 1月19日 |
449,023,820 | 5,266,685,000 | 4,135,699,170 | 801 | 5,163,170 | 78.5% |
| 2020年 7月19日 |
464,091,040 | 3,157,343,800 | 2,674,203,200 | 3,274 | 816,800 | 84.7% |
| 2019年 3月3日 |
464,985,570 | 2,302,884,800 | 2,077,000,210 | 101 | 10,282,010 | 90.2% |
| 648 | 1,602,650 | |||||
| 2018年 12月23日 |
599,802,210 | 3,499,342,200 | 3,398,584,420 | 115,874 | 29,330 | 97.1% |
直近の還元率を見てみると
まず目につくのは、キャリーオーバーが発生した後の売上金額です。
通常回のWIN5の売上は7億円前後が多いのですが、キャリーオーバーが発生すると一気に数十億円規模まで増えます。今回取り上げた回でも、いずれも20~50億円台まで売上が伸びています。
「キャリーがあるなら買ってみよう」と考える人が増え、参加者そのものが大きく増えていることが分かります。
その結果、上乗せされたキャリーオーバー分は、思った以上に多くの人で分け合うことになり、配当としては薄まってしまいます。
そのうえで還元率を見ると、直近3回(2025年10月、2025年1月、2020年7月)は、80.9%、78.5%、84.7%でした。平均すると、おおよそ81~82%程度です。
通常回の還元率は70%ですから、キャリーオーバー時でも改善幅は+10ポイント前後にとどまります。
確かに通常回よりは有利ですが、「還元率が100%近くまで上がる」といった水準ではありません。
結局のところ、条件は少し良くなるものの、無理をしてまで買うほどではない、というのが個人的な感想です。
まとめ:キャリーオーバー時は「少し有利」程度
ここまで見てきたとおり、キャリーオーバーが発生すると還元率は確かに上がります。
ただし、その上昇幅はおおむね+10ポイント前後で、還元率が100%近くになるような極端な有利さではありません。
売上が大きく伸び、参加者が増えることで、キャリーオーバー分が薄まってしまうためです。
そのため、「キャリーオーバーだから絶対に買うべき」というよりは、「どうせ買うなら少し条件が良い回」と考えるくらいがちょうど良さそうです。
なお、もし高額配当が的中した場合は税金の問題も出てきます。税金の取扱いについては、以前まとめた記事がありますので、こちらも参考にしてみてください。




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